デザインの成立

「デザインって何ですか?」と聞くひとがいる。

この質問は抽象的すぎて質問の意図がよくわからないのだけれど、質問をしたひとがデザイナでなく、デザインに関する仕事に関わっているのだとしたら、おそらく質問の意図としては「デザインが成立しているというのはどういうことですか?」ということを聞こうとしているのだと思う。デザインはしないけれどデザインの評価をしないといけなかったり、それを売る必要がある場合に、果たして何を評価の基準としたらよいのか、もしくは製品としてそれは成立しているものなのかを判断しなければいけない場合、この質問は非常に真摯なものになる。それに対して「デザインって正解がないからさぁー」的な思考停止な回答は、誠意のないものになってしまう。

もちろんこの質問の回答に困るは、デザインという言葉、というか対象の多様さにある。

一般的にデザインといって思い浮かぶのは、ファッションだったり、家具などのフォルムに関するものが多い。「このデザインいいよね」という場合、それは洋服の模様だったり、流線型のフォルムだったりする。

最近はコンピュータが普及し、マンマシンインターフェースと日常的に触れ合うひとたちが増えたことで、デザインは形状の美しさだけでなく、使いやすさやレスポンスの速さなども含まれるようになってきた。

建築物のデザインも第三者にはその外観の美しさや新規性を評価されることも多いのだけれど、維持コストや耐震性、耐久性、快適性なども、実際に利用し、費用を支払う側からすれば重要なデザインだと認識されはじめている。

デザインには他にランドスケープデザイン、プロダクトデザイン、グラフィックデザイン、制度設計、あるいは在り方をどうするのか、というさら抽象度の高いアーキテクチャ(法則)のデザインも含まれる。

これらに対する一般解の導出が困難なためか、あるいは単に応えを持ち合わせいないのかは知らないのだけれど、この質問をしてまともな回答が返ってきたためしがないので、デザイナでないぼくがこの質問の一般解を考えてみた。

回答は一言で済む。それは「ゲシュタルト(形態。全体性を持ったまとまりのある構造。)ができていること」。

単なる部分の集合ではなく全体がひとつの意味をもち、部分同士は互いの関係が明確になっている。これなら対象がグラフィックスであれ、建築であれ、インターフェースであれ、満足のいく応えに成り得るんじゃないだろうか。

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