人間だれしも征服欲と服従したいという欲求を同時に持っている。

そうしてこの制服したという満足感と、服従したという安心感を同時に満たそうとすることはデザインにおいても重要なんじゃないかと思う。

この二つは互いに矛盾していると同時に、お互いがなければ成り立たないという面白い関係を持っている。

なぜなら特定の社会やアーキテクチャに属し、それを受け入れなければそものそも征服する対象がない。ある宇宙のキングになるためには、その宇宙の構成員でなければならない。そうして構成員であるためには、その宇宙のルールに従う必要がある。仮にそれが自身の作り出したルールであったとしても、やはりそのルールに服従しているということには変わりない。

つまりモノを所有するというのは、モノの一部を制服していると同時に、モノのもつアーキテクチャに服従しているということでもある。

なぜならアーキテクチャに逸脱する行為をすればモノはいずれ壊れるか、役に立たなくなる。

モノを正しく使うには、そのモノの事を正しく知らなければならない。

だとしたらモノは征服者(であると同時に被征服者)に対して、それをどのように制服し、されるべきかをインタラクトする必要がある。そうして正しく征服したモノにひとは満足感を覚え、正しく征服されていることに安心感を覚えるに相違ない。