最後のマウス

マウスは暫定的なソリューションで、洗練されていないけれど現在では安価で信頼のおける Better なインターフェースだといわれ続けてきた。

たしかに初めてマウスを使うひとを観察すると、手元で動かすマウスの動きと、画面上のカーソルの動きを一致させるのに最初戸惑うというのはよく見かける光景だった。

それも最近ではタッチパネルのインターフェースが一般的になって画面との距離がゼロになり、空間的な乖離を概念上一致させる負荷がなくなったので、これからは思い出の中で語られる昔話でしかなくなるのかもしれない。

既に単純な質問ならコンピュータに話しかければ回答してくれるし、タブレットとスマートフォンでプライベートも仕事も完結するひとも少なくなくなってきたし、もとよりウェアラブルコンピュータなら触るというメタファすら不要になるシナリオだって十分にある。

スマホだけで電子書籍を執筆するというひともいるので、なにもキーボードでなくったって長文を書くのが負担にならないらしい。

それでもグラフィックデザイナはタッチパネルのポインティングデバイスとしての精度が耐えられないらしく、頑なにマウスを使い続けるのかもしれないけれど、実はそれも精度の問題は指の方にあり、単にスタイラスを使用すれば解決する問題なのかもしれない。

そうするとむしろ人間にとってはゼロ距離インターフェースであるタッチパネルのほうがグラフィックの精度も上がりそうな気がする。やはりそれでも使い慣れたマウスというのはどうしても恋しい。けれどそれは単に世代の問題で、それに慣れ親しんでいるという程度の話でしかないのだろうけれど。

しかしマウスにできるのは、

  • 平面の移動
  • クリック
  • ドラッグ
  • ドロップ

の四つしかない。

けれどマウスの限られた動作で豊かな表現をつくってきたデザイナがたくさんいた。

マウスの二次元座標の移動を立体的な視点の移動へ変換する例

※マウスを乗せて移動すると視点が変化する

他にもテキストをクリックすると隠れていたメニューが表示されるドロップダウンリスト(他にもポップアップリスト、プルダウンメニューなど呼び方はたくさんある)やダブルクリック、キーボードの Shift キーと組み合わせた複数選択等、限られたアクションと画面サイズでいろんな操作が可能になっていた。

それで結局なにがいいたいかというと、今はまだマウスが指って程度だけれど、そのうちマウスがなくなって、さらにはひょっとするとウェアラブルコンピュータが当たり前に一人にひとつずつみたいな時代がすぐそこまでやってきてるんだとしたら、もっと UI 側の人間は急いで準備してかないといけないのかなあって思った。

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