出版社は今すぐ協力して Web ブラウザをつくればいいのに

既存の大手出版社も重い腰をあげて徐々に電子書籍をコンテンツとして配信してきているのだけれど、どれも紙の書籍をただ電子化しただけのものが多い。

もちろん出版社にしてみれば今の市場を守ることが大事で、書籍には出版社だけでなく印刷、流通、小売等、多様な業種の利害がからんでいるのだろうから、さぁやろうといったところで簡単にはいかないのかもしれない。

紙には紙の良さもあるし、紙の書籍が一般に流通しなくなるにはあと百年くらいの猶予はあるのかもしれない。

けれどそれを待っていれば、いざという時には完全に乗り遅れてしまっており Amazon や Apple のつくったブロック経済の中で植民地的な地位に甘んじざるを得ないという危機感もあるらしい。

さておき、細かいことは置いといて、新しいオープンマーケットについて考えてみると楽しそうなので、考えてみる。

オープンな市場の形成

ブロック経済に対抗するには、自分の利益がみんなの利益になり、俺も俺もと参加社が増え、結果我と我が身に利益がリターンされるというオープンな経済圏をつくるのがてっとりばやいというのは誰もが思いつく。

電子化された書籍のオープン性とは、フォーマットと、流通システムの解放のことだろう。そしてそのシステムの維持・発展にかかるコストを経済圏のステークホルダ全員で賄えば、全体の利益が個人(法人)の利益になるようにしなければならないアーキテクチャができあがる。

フォーマットは既に IDPF によって標準化されている EPUB があるし、決済システムは PayPal やクレジットカード、図書券等がある。

コンテンツのコピーに関する問題は電子化するのであればある程度許容する必要があるものの、知識の再利用に害を及ぼさない程度の法による強制力、それと同時に消費者のモラールを向上させる教育を進めていくしかない。

マーケットプレイス・読書インターフェースとしての Web ブラウザ

現在、電子書籍は特定ベンダのアプリケーションに依存した形で配信されているので、とても評判が悪い。

十年後二十年後には恐らく開くことすらできなくなるであろうのだろうから、買うのは躊躇われるし、結果として出版の思想にすら反した使い捨てのコンテンツと化している。

だからこそさんざん言われているように世界標準のオープンフォーマットに移行するべきで、それはあらゆる端末からアクセス可能にする必要がある。

あらゆる端末からアクセス可能にするには、クラウドにデータを保存しておく必要があるので、データにアクセスするには Web ブラウザが要る。

けれどブラウザベンダは必ずしも EPUB に注力するわけではないので、実装を待っていてはいつになるのか分からない。なら自分たちでつくれば良いという結論になる。

既存のブラウザの機能を再利用しつつ EPUB に特化したブラウザを開発していく。開発された技術を開示し、大手ブラウザベンダにも実装を促していけば、ブラウザ戦争に参戦する必要もない。同時に EPUB の進化を加速させ、また DRM や EPUB リーダーの GUI のデファクトスタンダードをつくっていく事もできる。

市場に参加するには、売上に応じた開発費の負担だけをすれば良い。書籍データの永続性はブラウザ開発を主体とした非営利団体を設立しその団体が保証する。スポンサーには大手出版社の名前が並んでいれば、安心感は得られる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です