Web サイトがアーキテクチャ(建物)だとしたら、それは空間のメタファを利用することでより強固なものになる。では自分が今いる Place (場所)と Place を内包する Space (空間)は、バーチャルな空間ではどのように認知されるのだろう。

実際にひとが Web を利用して情報探索をする場合には、複数の異なる次元の空間が並列に存在しているように思う。そしてそれは大きく分けると以下のようなものになる。

  • 画面上のユーザインターフェース
  • 画面に表示されているページの Web サイト全体
  • 情報探索の過程でつくられる概念空間
  • 情報探索の前段階でつくられるユーザの予測(希望)による概念空間

空間の定義

これらがユーザの頭の中でどのように利用され、関係しているかを考える前に、そもそもここでいうところの空間とはなにかを定義しておかないといけない。

まず、空間には基準点が必要になってくる。なにも無い空間は人間ではモデル化できないから、複数の基準点を内包した有限の距離をもった広がりを空間としたほうが都合がいい。さらに基準点は絶対的なものと相対的なもののふたつを用意すると迷子になる恐れが軽減できる。

例えば絶対的な基準点を自分の家とする。あとは自分の家を基準としてその他の基準点(会社や学校等)の相対的な位置関係を把握したほうが、全てを相対的関係として把握するよりも容易い。

ここではその絶対的基準点をユーザの現在地にする。

でもそうするとユーザの現在地は常に移動するから絶対ではなくなってしまうように思える。

けれどリアルと同じ意味での不動の場所というのは概念空間では存在しないので、ある時間におけるある場所を絶対的な基準点としたほうが無理がないように思う(もし単に Web サイトというだけのはなしならホームページを絶対的な基準点にすればよいのだけれど)。つまり絶対的な位置というのはある限られた時間内での絶対位置ということになる。リアルでも引越しなどで基準点は変わることはあるから、現実空間を利用した認知モデルが崩壊するわけじゃない。

ただ、その時間はリアルよりもはるかに短いものになるので、絶対的基準点がいつ移動するのかを常に考慮しながらデザインしなければ、ユーザが迷子になる恐れは増す。

以上のことから空間はユーザを中心として広がり、ユーザが把握しているか、もしくは存在しているだろうという予測が成り立つ範囲、さらに希望まで含むこととする。

予測や希望も含むから、当然それが実在しているのかは問わない。箱を空けてみて存在しなければ、その部分はその瞬間に消失する。

次元の異なる複数の空間であるから、距離や大きさ、広さも、画面上の物理的なものと、概念としてしか存在しないものがある。

一方、空間上に存在する場所(基準点)は常に実在していなければならないものとする。過去に居た場所、もしくは今いる場所がここでは空間上に存在する場所の定義で、これには予測や希望は含まれない。

つまり、まだ見つけていないものは、空間のどこかにある空間の一部であって、場所(基準点)とはならないものとする。

各空間の具体化

空間の関係を考える前に、まずは個々の空間がどのように捉えられ、利用されるかを考える。

画面上のユーザインターフェースは、物理的には存在しないけれど、まるでそこにあるかのように目には見えるので、他のものに比べると理解し容易い。なので次回はここから考えてみる