基本性能

人間の使うものにはだいたい確保しないと困る以下の三つの基本性能というのがある。

  1. 安全性
  2. 快適性
  3. 耐久性

例えばブレーキが効かない車は恐ろしくて誰も乗りたがらないだろうし(安全性)、家賃は恐ろしく安いが、一晩中女のすすり泣く声の聞こえる部屋には誰も住みたくない(快適性)。数千万の借金をして一戸建てを買ったのはいいけれど、次の年には配管が腐って水が吹き出してきたのではたまったものでない(耐久性)。

そして上記の三つの基準をクリアした上で求められるものに意匠性がある。

機能か意匠かという議論は、そもそも基本性能をクリアしているという前提があって論じられるべきなのだけれど、肉体的な危険性がない商品などは、意匠ありきで出来ているものもある。

その中間にあるのがファッションデザインのようで、例えば意匠性は優れているが履いていると足が痛くなって仕方の無い靴というのがあったり、近代ヨーロッパで流行ったコルセットなども、腰を細く見せるために肉体を締め付け、過剰な強制を行った結果として内蔵を悪くしたこともあるとかいうはなしを聞いた気がする。

製品として未熟なものや、そもそも何処に危険性があり、何が不快なのかもわからない新しい製品などは、当然規制などもなく、経験としても蓄積されていないので、対応は後手々に回ることになる。

けれど一定の普及を経て産業としての成熟をみれば、業界自体が自浄作用を発揮してくる。業界団体をつくり、そこで暫定的な基本性能を定義し、団体に所属し、基本性能を満たすことで品質を確保して利用者の利便性を上げ、産業としての社会的な地位を確保しようという動きが産まれる。こういった動きの産まれない産業は衰退していくか、そもそも社会的な必要性の低い産業だと自ら表現しているのと同じだから、自然と社会全体からそのような扱いをうけるようになる。

Web にも当然基本性能というのはあるし、それらの業界全体での合意は暗黙のうちに形成されている部分もあるのだろうし、工業規格としてのアクセシビリティもある。これらを Google などは意欲的に発信しているのだけれど、制作会社などではあまりみない。

さておき基本性能を理解しているのかいないのかでは、品質という概念からして根底から違ってくるのだから、そろそろ基本性能の定義がされて、業界の外のひとたちにもわかるように発信されればいいなと思う。

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