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  • Author :
  • 2011-10-15

僅かな言葉でも理解してくれるひとがいる一方、どれだけ言葉を尽くしても理解してくれないひともいる。

その違いは何だろうか。

例外として、相手が頑固一徹な凝り固まった価値観の人間である場合は、とりあえず放っておこう。もし彼が有力者なら、失脚させるための工作を計ったほうが早い。いずれそういった組織は永くはないのだから、早々に逃げ出すというのもひとつの手だけれど。

言葉はインターフェースだから、それは解釈の側に委ねる部分が大きい。 Perl をインストールしていないコンピュータでは、どんなにがんばっても Perl は動かない。ただプログラム言語と違って、自然言語では曖昧さが重要になる。というか曖昧さしかないのが自然言語だから、その曖昧さをどのように想像するのか以外は考えることなんかない。

曖昧さの想像とは受信側の解釈を想像することになる。相手の知識や年齢、職業、性別など、個人を形成する文脈を知るほど想像の確実性は高まっていく。

相手がもし自分と近しいドメインに属しているのなら、言葉は概要だけで事足りる。簡単な説明で輪郭さえ示せれば、あとは言葉のゲシュタルトが出来上がり、細部を詰めるだけで足りるだろう。

例えば長年連れ添った夫婦というのは、共通の生活空間ではほぼ同じドメインになってくるらしい。「あれ」といば、それは必ず一意な「あれ」で、まぎれも無い「あれ」が出てくる。

一方まるで違うドメインに属する場合には非常に煩雑な手続きが必要になる。まず同じ単語でも理解している概念が違う。例えばマーケターにとって「CS」とは「顧客満足度(Customer Satisfaction)」のことだけれど、グラフィック系のデザイナーにとっては Adobe 社の「CS(Creative Sweet)」を指す。

マーケター:「やっぱりここは CS(Customer Satisfaction)が重要になってくると思うんだ」

デザイナー:「うちにあるのは未だにCS2(Creative Sweet)ですからね。そろそろいい加減バージョンアップして欲しいもんですよ」

マーケター:" CS(Customer Satisfaction)ってバージョンがあるのか?"

てな具合に。

上記は非常にわかり易い例だけれど、細かいニュアンスの違いであれば、なお性質が悪い。

ドメイン特有のランゲージ問題を解消するためには、より一般的なランゲージで、より一般的な表現が必要になってくるけれど、それでは表層的な会話しかできないため、そこから出てきた結論では、わざわざひとが集まって時間をかける意味のあるものは産み出されなくなってしまう。

それで結局ぼくが今回何を言いたいのかは、読んだひとのドメインに委ねてみることにする。

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