前回の続きで、拡大縮小によって情報の密度を変更するにあたり、密度をどう表現するかを考えてみる。 ひとつめの密度の可視化としては、色をつかったサーモグラフィのようなものはどうだろう。 これで各部分に何か違いがあるのは分かる。赤い色の方が青い色より熱そうだというのは、触感の経験から推測可能である過率が高いので、赤い色に近いほど何かが密集しているようなイメージを湧かせることは可能かもしれない。 だがこれはやり過ぎのように見える。なぜなら多くの人が実際に見ているであろう世界とは異なる。そもそもこれではそこにある物が建物なのか人なのかを形だけで識別しないといけなくなる。 見えるものは見えるまま描画したほうが分かり易いとひとは思うだろう。そしてぼくもそう思う。 次に大きさで考えてみよう。 見えるまま、という前提なので、カメラで映した世界はそのままで、その上に何か大きさの違うものを乗せてみるのはどうだろう。 では先ほどのサーモグラフィの方法も取り入れてみて、大きさと色の両方でやってみよう。 違いは表現できているように見える。だがサーモグラフィに比べると精度が落ちる。現実的に密度は非常に高い精度を必要とするだろうから、これではどうしても雑になってしまう恐れもある。 さて、ではどうした良いだろう? 正直ほんとうに困った。 事件に行き詰まった刑事は現場に戻るという。デザイナーなら何が必要なのか、そもそも何をつくろうとしていたのかに戻るべきだろう。 では何を行おうとしているのかを書き出してみよう。
  1. 情報密度の表現(大量の情報を限られたスペースでどう表現するか)
  2. 情報の取捨選択(検索)
  3. 検索された一覧から情報を選択
  4. 選択した情報の詳細表示
さて、思い出した。何より重要なのは詳細情報じゃないだろうか。どうやってここに行き着くか。全てはそのプロセスでしかないはずだ。 つまり考える順序が逆だ。まず詳細情報をどう表示し、一覧はどう表示し...という順番で考えるべきだ。 表示する詳細情報、つまりドキュメントは現在の Web のものなので、表示の方法も今のブラウザそのままのほうが良い。なにかもっと扱えるメタ情報が増えるまでは、扱い慣れたものを流用するほうがユーザーにも学習の負担が減るだろう。 リストをクリックするとスライドして全画面がブラウザになる。画面のどこかにカメラの状態へ戻すインターフェースを追加するくらいにしておきたい。 では一覧はどこに、どのように表示すべきだろうか。 ぼくは画面を分割し、一覧を表示するエリアと、カメラの映像のエリアを分けるべきだと思う。そうすることによって画面遷移を極力少なくしたほうがストレスがないと考えるからだ。 だがそれは画面の大きさにも依存する。なぜなら iPhone のような小さい画面を分割してしまえば、カメラの画像が小さくなり過ぎる。そのため、通常は隠してあり、何らかのアクションの後それが表示された方が良い。しかし7インチタブレットほどの大きさがあれば画面を分割したほうが良いと思われる。 一覧はこれでいくとして、今度は情報の塊を選び、一覧を読み込むという一連の流れからデザインを考えてみる。 情報の探索をズームで行うということで考えてきたが、一覧から選択するという方法であれば、ズームによって情報量を選択するという方法も初期の考えから変わってくる。 当初、ぼくは詳細情報(つまり一枚のドキュメント、もしくはひとつの Web サイト)までをカメラの映像に重ねようと考えていた。 しかしそれでは100万の情報があった場合、そこに至までには膨大な回数ズームを繰り返す必要があり、それにかえって一覧性が損なわれてしまう。その上画像での表示は読み込み負荷が高く、それが何の情報かがわかりづらい。 そこで考えられるのが、ズームは最大でも数回程度に抑え、それ以上の量は単純に数字で表すというものだ。 そうすると操作の最初から数は分かっていたほうが良さそうなので、数の表示はデフォルトにしたほうがいいのかもしれない。 数字のついたバルーンが画面上に浮かんでいて、そこに触れると一覧が読み込まれる。選んだ一覧の中でも検索が可能で、このインターフェースは詳細な設定が可能にするべきだろう。 ズームインすることで絞り込まれる情報の基準は...もうこうなるとズームはいらないのかもれない。 これでだいたい検索、閲覧がどういったものになるのかは想像がついてきた。 主題は拡張現実を利用した Web の上で何をどうデザインするかを考えることなので、大方の流れが想像できればいい。次はマークアップ等がどうなるのかなっていうのを考えみる。 What is being creative? from Kristian Larsen on Vimeo.