じゃあ実際の UI はどうなるのだろうか。もしくはどうあるべきなのか。
それを考えるには、現在利用されている AR アプリケーションを参考にしたほうがいい。
そこで有名なセカイカメラの UI がどうなっているのか。それをブラウザにもってくると想定した場合、ブラウザではどういう問題が産まれるのか。そしてどうやってそれを解決しようとするのかを考えてみたい。
セカイカメラの UI では、場所に貼付けられた情報が、空間に浮ぶように画面に現れる。情報は多くなれば前後に重なり合い、後ろにある情報の一部分は重なりあって見えなくなる。
詳細は空間に浮かんだ情報に触れると、背景がグレーアウトして表示される。
周辺にどのくらいの情報があるのかは、上部の視覚的に区分けされたエリアに点の量で表現され、現在どの部分を見ているのかも枠で囲むことによって確認可能になっている。
フィルタ機能もあり、不必要な情報を表示しない設定も可能になっている。

では、セカイカメラとブラウザの違いは何だろう。
大きな違いとして、セカイカメラの情報は端的な点がある。多くの Web のドキュメントはそれに比べて量が多く、また動画などの多様なハイパーメディアを内包することも多くなってきている。
さらに、Web のドキュメントはハイパーテキストによってリンクし、それが位置情報ともリンクすると考えれば、非常に複雑な構造になる。つまり、ハイパーリンクの先の地点を現地点とどう関連づけるか、もしくはそのハイパーリンクによる擬似的な移動を実空間にリンクしたサイバースペースの遷移とどう関連づけるか、あるいは、移動の表現をどのようにすべきか。
現実的な考え方をすれば、ハイパーリンクによる空間の移動を画面に繁栄し、移動した先の実空間をブラウズするのは困難であるだろうし、また、現段階でのそれはユーザーの混乱をまねく恐れがあるため、いたずらにそういった千里眼のような効果を狙うのはやめておいたほうがいいかもしれない。
実際情報構造の複雑さをユーザーに理解させる必要はないだろうし、むしろそれをいかにして単純なものに見せるかに重点を置くべきだろう。必ずしも全ての情報が一覧で把握できる必要はないし、そうする事によって煩雑になるのならそれは避けた方がよさそうだ。
ブラウザの UI としては、情報が重なり合って、重なりの下にある情報が見えなくなってしまうのはまずい。ではそれはどうやって解決したらよいだろう。
一つの案としては、主要な情報をカテゴライズしてアイコン化してしまうというのが考えられる。
けれどアイコンでは意味が曖昧に成りすぎる恐れもある。
しかし、情報はコンパクトにする必要がある。けれどそれも情報量が著しく多い場合には、例えアイコン化したところで焼け石に水になってしまう。
そこで考えられるのは、拡大・縮小により情報の密度を変化させる方法。
GoogleMaps では拡大するに従って詳細な地図情報を得られるが、縮尺によっては主要都市以外の情報は見えなくなる。ここでもそれを使ってみるのはどうだろうか。
だが都市と違い、そこに情報が密集しているのか、それともただ何もないだけなのかは拡大してみないとユーザーには分からない。そういった情報があるということを伝えるためのインタラクションは、正しくデザインしなければ、誰もなにも見つけられなくなる恐れもある。
ならばそれはどのようなインタラクションが良いのだろうか。その解決案はどんなものがあるのか。