これに似た言葉でよく聞くものに、インタラクティブデザインというものがある。ではインタラクティブとインタラクションは、どう違うのだろうか。

インタラクティブ
「対話」または「双方向」
インタラクション
ふたつ以上の存在が互いに影響を及ぼしあうこと。相互作用、交互作用などと訳される。

ということらしい。似通った概念ではあるけれど、インタラクションのほうが抽象度が高い。

インタラクティブデザインという表現もあるけれど、やはりインタラクションデザインといったほうが正しいのではないかと思う。

まあ、インタラクティブデザインが何なのかはよくわからないので、インタラクションデザインに絞って話をすすめていきたいと思う。

インタラクションデザインとは、つまりコミュニケーションのデザインのことだと思ってる。

例えば、ぼくがタクシーを止めたいと思ったら、道路を走ってくるタクシーに向かって手を挙げる。すると、それを見た運転手は車を止めてドアを開ける。ぼくはドアが空いたタクシーに乗り込み、行き先を告げて、目的を果たす。

ここではまず、手を挙げるというインタラクションがあり、運転手が車を止めることで、手を挙げたというインタラクションは成立する。次にドアを開けるというインタラクションがあり、ぼくが乗り込むことで、ドアを開けたというインタラクションが成立する。この一連の流れが一般化されたものを、デザインされたインタラクションという。

簡単に言うと、コミュニケーションにはルールが要る。自然言語だって、勝手に単語をつくったところで、その意味が誰にも理解できなければ、それは言語ではなくただの音でしかない。

社会はインタラクションでできている。そしてそれは高度になればなるほど、混乱と誤解を産むようになっている。インタラクションデザインの目的とは、その混乱と誤解を軽減し、より円滑なコミュニケーションシステムを構築することにある。

それは例にも示したとうり、マンマシンインターフェースに限定されるものではない。人対人、紙対人、機械対人など、人がなんらかの形で意思を伝達しようとするところの全てにインタラクションデザインというのはある。

デザインはそもそも専門家だけの仕事でもない。さっきのタクシーを止めるデザインも、デザイナーという肩書きのひとがつくったものではないはずだし、そうでなくても、成立すれば、それは立派なデザインだ。

ただ、高度なデザインには高度な知識が要る。そのために専門家としてのデザイナーいうのが居る。

兎にも角にも、世界は時間とともに複雑化していくようにできているらしい。その複雑の産む歪みを少しでも軽減していくことがデザインの役割で、インタラクションデザインは、その中の一部、コミュニケーションを扱う分野だとぼくは思う。