思いつくだけでも、別ウィンドウには以下の3つのリスクがあげられる。
- 検索エンジンでやってくるユーザーを逃す恐れがある。
- アクセシビリティが低下する。
- ユーザビリティが低下する。
まず検索エンジンでやってくるユーザーを逃す恐れがあるというのは、つまり、すべてのページがランディングページとなりうるということから説明ができる。設計上、そのページがあなたにとっては別ウィンドウであったとしても、それはユーザーにとっていつでも別ウィンドウではないということだ。もし誰かが検索エンジンから"別ウィンドウのページ"へやってきたとしたら、その先には多くの場合メインページへのリンクが用意されていないため、ユーザーは行き場を失い"戻る"ことになり、あるいはもう二度とあなたのサイトを訪れる機会はないかもしれない。
次にアクセシビリティが低下についてだが、音声ブラウザの場合、別ウィンドウが開いた場合、とても不愉快な音がする。何か失敗でもした時の効果音のような音だ。別にこの音だけならよいのだが、そもそも綿密な設計と適切なナビゲーションが用意されていなければ、音声ブラウザのユーザーは何故それが別ウィンドウで開くのか? そして自分は今どこにいるのか? ということがわからなくなる。またそれはなにも音声ブラウザに限ったことではない。
例えば不用意にグローバルナビゲーションに別ウィンドウとそうでないリンクが混在したサイトというのがよくみうけられる。製作者には何等かの意図があったとしても、ユーザーにその意図が一切の説明なく理解できるほど明確なものでなければ、それはデザインの失敗、設計の失敗であり、サイトのクオリティを著しく低下させる要因となりうるのである。そしてそのサイトに対しユーザーは不愉快な印象を覚え、企業サイトであれば企業イメージの低下にもつながりかねない。
最後にユーザビリティが低下についてだが、おそらくユーザーは多くのウィンドウを望まない。タブブラウザが考案され、広く普及しているのがその証明とはなりえないだろうか。ウィンドウが増えれば増えるほど、ユーザーは不安になり、不愉快になるのではないだろうか。それはなぜか? それは別ウィンドウというのが多くの場合製作者側、管理側のエゴであるからだ。自らのサイトを見せつつ、他のサイトへも誘導したい、という。
多くのユーザーは明確な目的を持ってサイトを訪れることが多い。そしてその目的に添わなければサイトを去るのである。クリックという積極的な行為は、次の情報を求めるということだといえる。もしその前のページに戻りたければ、何もリンクなどいらない。ユーザーの多くがまず最初に覚えるのは"戻る"というボタンが用意されているということだからだ。
というわけで、ある種ものすごく偏見に満ちた文章だといえなくもない内容だが、個人的には別ウィンドウは大嫌いだから仕方がない。しかしXHTML1.1からはtarget="_blank"が廃止されてるということを鑑みれば、なぜ別ウィンドウを開く必要があるか? ということを真剣に考えても損はないと思う。インターフェースとして利便性が上がるとか、そうしたほうが面白い演出ができるとか、すべてがmustでなければ、きっと別ウィンドウを開くというのはリスクだと、あたしは考える。